![]() Fdf03抗体およびそれの使用
专利摘要:
本発明は、がんの処置において有用である、インビトロおよびインビボにおけるFDF03の生物学的な活性の、調節因子の同定ならびに使用のための方法に関連する。一実施形態において、本発明は、被験体における腫瘍増殖を阻害するための方法を提供し、これは(腫瘍増殖の阻害を必要としている)被験体に、FDF03阻害受容体の生物学的な活性を刺激するまたは高める薬剤を投与することを含む。ある実施形態において、薬剤はFDF03阻害受容体に特異的なアゴニスト抗体もしくは部分的なアゴニスト抗体またはこれらの抗体の断片であり;抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体であり得;腫瘍は原発性のまたは転移性の腫瘍であり;あるいは被験体はヒトである。 公开号:JP2011507882A 申请号:JP2010539783 申请日:2008-12-18 公开日:2011-03-10 发明作者:カリヤン パンデ,;マイケル;イー. ビッグラー,;ジョセフ;エイチ. フィリップス,;ドレイク;エム. ラフェイス, 申请人:シェーリング コーポレイションSchering Corporation; IPC主号:A61K45-00
专利说明:
[0001] (本発明の分野) 本発明は免疫学および医薬品の分野に関連する。さらにとりわけ、本発明はインビボにおける抗腫瘍活性を高めるためのFDF03活性の調節、およびそのような調節を媒介する化合物の同定に関連する。] 背景技術 [0002] (本発明の背景) 免疫細胞の活性化の閾値は、自己および異種抗原の認識を通して受け取られる、活性化ならびに阻害シグナルによって調節される。活性化または阻害受容体に影響する遺伝的欠損は、免疫機構を、自己と非自己との間を識別することができない状態にし、これは自己免疫または感染性因子および形質転換された細胞に対する異常な応答を引き起こす(例えば、非特許文献1および非特許文献2を参照のこと)。] [0003] 免疫機構の細胞は、多数の型の、受容体として働く膜結合型タンパク質を持つ。これらの受容体に対するリガンドは、小分子、タンパク質(例えば、サイトカインまたはケモカイン)もしくは別個の細胞上に存在している膜結合型タンパク質であり得る。そのリガンドによる受容体の占有、可溶性抗体による受容体の結合、似ている受容体(like−receptors)同士での架橋、および似ていない受容体(unlike receptors)同士での架橋は、細胞活性における変化を結果として生じ得る。これらの事象のいくつかは「細胞の活性化」を結果として生じ、一方他の事象は「細胞の阻害」を結果として生じる。] [0004] 免疫細胞およびこれらの活性化または阻害の研究は:形質膜への酵素のリクルート;細胞膜における「脂質ラフト」への酵素のリクルート(非特許文献3)、および形質膜への膜結合型受容体のリクルートに関連している。脂質ラフトは、脂質分子の低下した流動性を有する形質膜の領域である。細胞の活性化または阻害はまた、受容体のリン酸化状態における変化;細胞の増殖状態における変化;カルシウムの流動;遺伝的発現における変化;分泌または脱顆粒における変化;細胞の分化;細胞の増殖速度における変化;細胞移動における変化;および走化性における変化に関連する。細胞の活性化はまた、T細胞アネルギーの逆転を含み得る(例えば、非特許文献4および非特許文献5を参照のこと)。] [0005] シグナル伝達事象(これは上記の変化の何れかを結果として生じる)が、活性化するかまたは阻害するかについての問題は、個々の論拠の上で決定され得る。例えば、同定されていない受容体の占有が、サイトカインmRNAの遺伝的発現、分泌(もしくは脱顆粒)、炎症性サイトカインの放出、食細胞または溶解活性の上昇を結果として生じる場合、上記同定されていない受容体は活性化受容体と呼ばれ得る。同様に、同定されていない受容体の占有が、公知の活性化受容体に依存している活性を阻害する場合、この同定されていない受容体は阻害受容体と呼ばれ得る。] [0006] 受容体が活性化するかまたは阻害するかについての決定は、この受容体がタンパク質である場合、この受容体のポリペプチド配列によって予測され得る。注目は二つの異なるモチーフに集中している:ITIMおよびITAMである。ITIMは、免疫受容体のチロシンに基づいた阻害モチーフ(immunoreceptor tyrosine−based inhibition motif)を表し、一方、ITAMは、免疫受容体のチロシンに基づいた活性化モチーフ(immunoreceptor tyrosine−based activation motif)を意味する。受容体の細胞質領域内に一つまたはそれより多いITIMモチーフをもつ多数のポリペプチド受容体は、阻害することが見出されている。一方、細胞質領域内に一つまたはそれより多いITAM配列をもつ多数のポリペプチド受容体は、活性化することが見出されている。] [0007] 最近、多数のそのような免疫調節受容体(TREM、MDL−1、FDF03、DCIR、およびCD200など)が骨髄性細胞上で同定されている。FDF03は、対になった免疫グロブリン様2型受容体(Paired Immunoglobulin−Like type 2 Receptor)(PILR)としても公知である。PILRファミリーは阻害(PILRα)および活性化(PILRβ)アイソフォームの両方を含む。両方の受容体は、v型免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、かつ好中球,単球および樹状細胞の表面上で発現される。PILRbはまた、マウスならびにヒトの両方におけるNK細胞とT細胞のわずかな集団とにおいても存在する。(例えば、非特許文献6を参照のこと)。PIRLαは、その細胞質ドメイン内にITIMを持つ。一方PILRβは、ITAMをもつDAP12アダプタ分子と結合することによって、活性化シグナルを伝達(transduce)する。マウスのアイソフォームに対する推定上のリガンドは、CD99様分子であると同定され、さらにより最近、CD99上のO−グリカン糖鎖は受容体認識に関与されることが観察された。DCおよびマクロファージにおける初期の研究は、PILRαがITAMに媒介される活性化シグナルを阻害し得る(これは、受容体の、ITIMをもつファミリーの間で一般的な特徴である)ことを示している。PILRαは、FDF03がトランスフェクトされたU937細胞において、CD32/FcγRIIによって誘導される細胞内Ca+2動員を妨害することによって阻害機能を示した。PILRaはまた、単純ヘルペスウイルス1エントリー共受容体(herpes−simplex virus−1 entry co−receptor)として同定されている(例えば、非特許文献7を参照のこと。] [0008] 先天免疫は、先天免疫細胞が、力強く応答するように誘導されるために、特定の微生物の病原体または腫瘍に関連した抗原に事前に暴露することを必要としないという点で、適応免疫と区別される。さらに、先天免疫細胞によって利用される受容体は多形ではなく(non−polymorphic)、そして、通常、微生物の病原体上に存在する特異的な分子のパターンを認識する。したがって、先天免疫細胞は、病原体に対する防御の第一線を提供する。一般に、先天免疫応答は、病原体およびがんへの防御の第一線として、種々の骨髄性系列細胞を通じて媒介される。骨髄性系列細胞としては、マクロファージ、単球、樹状細胞、好中球、好酸球、顆粒球、マスト細胞、好塩基球などが挙げられる。さらに、NK細胞は先天免疫の一部であり、ならびに、これらは改変された自己(altered self)(特に、多数の腫瘍細胞の場合のように、MHCクラスI発現を欠いている細胞)を認識することが可能な、多形ではない受容体を発現する。上で指摘されたように、FDF03受容体は、骨髄性系列細胞の表面上で発現される。さらに、FDF03の活性化形態はNK細胞上で発現され得る。最近の研究は、多様な多形ではない受容体に由来するシグナル伝達を処理することによって、先天免疫細胞は、微生物の病原体または腫瘍細胞標的上で識別し得るという概念について調査した。例を挙げれば、一つの病原体は、発現された種々の分子に基づいた、受容体の相互作用を誘発し得、そして別の病原体は、受容体の異なるアレイ(array)を誘発し得る(つまり、定性的または定量的様式で、異なる応答を誘発する)。したがって、二つまたはそれより多いアゴニスト分子を用いる組み合わせの治療を用いて、先天細胞上の受容体の結合を誘発することは、病原体除去または腫瘍細胞を殺すことを誘導する能力を増強し得る。] 先行技術 [0009] Walkerおよび Abbas、Nat Rev Immunol.(2002)2:11−19 Lanier、Curr Opin Immunol.(2003)15:308−314 YangおよびReinherz、J.Biol.Chem.(2001)2766,18775 Linら、J.Biol.Chem.(1998)273,19914 Sunder−PlassmanおよびReinherz、J.Biol.Chem.(1998)273,24249 Shiratoriら、J Exp Med.(2004)199:525−33 Satohら、Cell(2008)132:935−944.] 発明が解決しようとする課題 [0010] 免疫、特にがん免疫の調節因子についての必要性が存在する。本発明は、FDF03受容体の調節因子を用いてがん免疫を調節する方法を提供することで、この必要性を満たす。] 課題を解決するための手段 [0011] 本発明は、造血細胞上の細胞表面分子であるFDF03活性化受容体(PILRβ)および阻害受容体(PILRα)の調節は、腫瘍もしくはがんへの継続している免疫応答のダイナミクス(dynamics)または初期免疫応答の開始を変え得、あるいは転移を阻害することを変え得るという発見に基づいている。したがって、受容体は、インビボにおける免疫応答を調節するための重要な標的であり得る。] [0012] 本発明は、被験体における腫瘍増殖を阻害するための方法を提供し、これは(腫瘍増殖の阻害を必要としている)被験体に、FDF03阻害受容体の生物学的な活性を刺激するまたは高める薬剤を投与することを含む。ある実施形態において、薬剤はFDF03阻害受容体に特異的なアゴニスト抗体もしくは部分的なアゴニスト抗体またはこれらの抗体の断片であり;抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体であり得;腫瘍は原発性のまたは転移性の腫瘍であり;あるいは被験体はヒトである。] [0013] 被験体における転移の負荷を低減するための方法もまた提供される。この方法は(転移の負荷の低減を必要としている)被験体に、FDF03阻害受容体の生物学的な活性を刺激するまたは高める薬剤を投与することを含む。ある実施形態において、薬剤はFDF03阻害受容体に特異的なアゴニスト抗体もしくは部分的なアゴニスト抗体またはこれらの抗体の断片であり;抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体であり;あるいは被験体はヒトである。] [0014] 本発明は、被験体における腫瘍増殖を阻害するための方法を提供し、この方法は(腫瘍増殖の阻害を必要としている)被験体に、FDF03阻害受容体およびFDF03活性化受容体の両方に結合する薬剤を投与することを含む。ある実施形態において、薬剤はFDF03阻害受容体およびFDF03活性化受容体に結合する二重特異的(bispecific)抗体またはこの抗体の断片であり;抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体であり;腫瘍は原発性のまたは転移性の腫瘍であり;あるいは被験体はヒトである。] [0015] 転移の負荷を低減するための方法もまた提供される。この方法は、(転移の負荷の低減を必要としている)被験体に、FDF03阻害受容体およびFDF03活性化受容体の両方に結合する薬剤を投与することを含む。ある実施形態において、薬剤はFDF03阻害受容体およびFDF03活性化受容体に結合する二重特異的抗体またはこの抗体の断片であり;抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体であり;あるいは被験体はヒトである。] 図面の簡単な説明 [0016] 図1は、(FDF03活性化受容体およびFDF03阻害受容体に結合する二重特異的抗体である)DX173抗体を用いた処置に際した、4T1乳癌の腫瘍増殖の阻害を示す。 図2は、DX173を用いた処置に際した、4T1乳癌の腫瘍形成の阻害を示す。 図3は、DX173を用いた処置に際した、4T1乳癌の転移の負荷の減少を示す。 図4は、(FDF03阻害受容体に結合するアゴニスト抗体である)DX276抗体を用いた処置に際した、CT−26結腸癌の腫瘍増殖の阻害を示す。 図5は、DX276を用いた処置に際した、CT−26結腸癌の腫瘍形成の阻害を示す。] 図1 図2 図3 図4 図5 [0017] (本発明の詳細な説明) 本発明は、免疫応答の重大な調節因子としての、FDF03受容体の生理学的な役割に関連する。マウスのモデルにおいて、FDF03受容体の阻害形態を刺激することは、原発性の腫瘍および副産物の両方への抗腫瘍免疫反応性の増大ならびに転移の負荷の低減を結果として生じ、このことはFDF03が免疫学的監視における重要なプレーヤーであることを示唆する。したがって、本発明の目的は、特にがんにおける免疫反応性を変えるためのFDF03の調節に関連する。FDF03受容体を調節する薬剤を同定する能力は、免疫応答の外部調節を可能にし、さらに、腫瘍の免疫学的監視の増進が、発癌および腫瘍増殖を防げない場合、少なくとも低減することを可能にし得る。] [0018] 開示を明瞭にするために、かつ限定するためではなく、本発明の詳細な説明は、後に続く小区分に分けられる。] [0019] (A.定義) 異なる定義がなされない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての特許、公開された特許出願および他の出版物ならびにGenBankおよび他のデータベース由来の配列は、その全容が参照によって援用される。本節で示される定義が、参照によって本明細書に援用される特許、公開された特許出願および他の出版物ならびにGenBankおよび他のデータベース由来の配列で示される定義に反するまたはそうでなければ矛盾する場合、本節で示される定義が、参照によって本明細書に援用される定義に優先する。] [0020] 本明細書で使用される場合、「a」または「an」とは、「少なくとも一つ」または「一つもしくはそれより多数」を意味する。] [0021] 動物、ヒト、実験用被験体、細胞、組織、器官、または生物学的な流体に適用する場合、「投与」および「処置」とは、動物、ヒト、被験体、細胞、組織、器官、または生物学的な流体への、外因性の薬学的、治療上の、診断上の薬剤、化合物、もしくは組成物の接触をいう。「投与」および「処置」とは、例えば、治療上の、プラシーボの、薬物動態学の、診断上の、研究の、および実験の方法をいい得る。「細胞の処置」とは、細胞への試薬の接触および流体への試薬の接触(この流体が、細胞と接触している場合)を含む。「投与」および「処置」とはまた、試薬、診断上の、結合する組成物による、または別の細胞による、(例えば、細胞の)インビトロおよびエクスビボの処置を意味する。ヒト、獣医学または研究用被験体に適用する場合、「処置」とは、治療上の処置、予防または防止の措置、研究および診断上の適用をいう。ヒト、獣医学もしくは研究用被験体または細胞、組織、もしくは器官に適用する場合、「処置」とは、FDF03活性を調節することが可能な薬剤を、ヒトもしくは動物の被験体、細胞、組織、生理学的な区画または生理学的な流体と接触させることを含む。「細胞の処置」とはまた、FDF03阻害受容体アゴニストまたはFDF03二重特異的薬剤が、(例えば、流体相またはコロイド相において)適切な一つのFDF03受容体または複数のFDF03受容体と接触する状態、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストが流体と接触している(例えば、この流体は細胞もしくは受容体と接触している)が、このアゴニストまたはアンタゴニストが細胞もしくは受容体と接触していることは実証されていない状態も含む。] [0022] 本明細書で使用される場合、用語「薬剤」とは、本発明の分子の発現および/または活性を調節する(例えば、上方に調節する(up−modulate)または刺激するおよび下方に調節する(down−modulate)または阻害する)化合物を含む。本明細書で使用される場合、用語「インヒビター」もしくは「阻害する薬剤」とは、本発明の分子の発現および/または活性を阻害する薬剤を含む。] [0023] 「インヒビター」および「アンタゴニスト」または「アクチベーター」および「アゴニスト」とは、それぞれ、阻害するまたは活性化する分子をいい、例えば、リガンド、受容体、補因子、遺伝子、細胞、組織、または器官の、例えば活性化のための分子をいう。例えば、遺伝子、受容体、リガンドまたは細胞の調節因子は、遺伝子、受容体、リガンドまたは細胞の活性を変更する分子であり、ここで活性は、その調節の特性において活性化され得、阻害され得または変えられ得る。調節因子は、単独で働き得、または補因子(例えば、タンパク質、金属イオン、もしくは小分子)を使用し得る。インヒビターは、例えば、遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体、もしくは細胞を、減らす、遮断する、妨害する、活性化を遅らせる、不活性化する、脱感作する、または、ダウンレギュレートする化合物である。アクチベーターは、例えば、遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体,もしくは細胞を、増やす、活性化する、促進する、活性化を高める、感作する、またはアップレギュレートする化合物である。インヒビターはまた、構成的活性を低減する、遮断する、または不活性化する組成物としても定義され得る。「アゴニスト」は、標的と相互作用し、標的の活性化の増進を引き起こす、または促進する化合物である。アゴニストはまた、機能のサブセットの活性化を含む(すなわちこれは、「部分的なアゴニスト」である)。「アンタゴニスト」は、アゴニストの作用に対立する化合物である。アンタゴニストは、アゴニストの活性を妨害する、低減する、阻害するまたは中和する。アンタゴニストはまた、同定されたアゴニストがない場合でさえ、標的(例えば、標的受容体)の構成的活性を妨害する、阻害する、または低減し得る。] [0024] 本明細書で使用される場合、用語「抗体」とは、抗原性のエピトープに特異的に結合するために必要な可変領域配列を含む、単離されたまたは組換え型の結合する薬剤をいう。したがって、抗体は、所望の生物学的活性(例えば、特異的な標的抗原に結合する)を示す、抗体またはそれの断片のあらゆる形態である。したがって,これは最も広い意味で用いられ、そして具体的には、(全長のモノクローナル抗体を含む)モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラの抗体、ナノボディ(nanobody)、ダイアボディ(diabody)、多特異的な抗体(例えば、二重特異的抗体)および所望の生物学的活性を示す限り、抗体の断片(scFv、Fab、およびFab2を含むがこれらに限定されない)を含む。] [0025] 本明細書で使用される場合、抗体に関して使用されるときは、語句「これらの抗体の断片」または「これらの抗原結合断片」とは、その生物学的活性を実質的に保持している、抗体の断片または誘導体を含む。したがって、抗体断片は、全長の抗体の一部であり、そして通常、その抗原結合領域または可変領域を含む。抗体断片の例としては、抗体断片から形成された、Fab、Fab’、F(ab’)2,およびFv断片;ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子(例えば、sc−Fv);ならびに多特異的抗体が挙げられる。一般に、抗体断片または誘導体は、その生物学的活性の少なくとも50%を保持している。好ましくは、抗体断片または誘導体は、その生物学的活性の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%を保持している。抗体断片は、その生物学的な活性を実質的に変えない保存的アミノ酸置換を含み得る。] [0026] 本明細書で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均質の抗体の集団から取得された抗体をいう。すなわち集団を構成する個々の抗体が、可能であるような自然に起こる変異(これは、少ない量で存在し得る)を除き、同一である。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原エピトープ(またはリガンド)に対し、向けられる。対照的に、通常の(ポリクローナル)抗体調製物は、一般に、種々のエピトープに対して向けられる(または特異的である)多数の抗体を含む。用語、モノクローナルとは、その抗体が、抗体の実質的に均質な集団から取得されること、および何れかの特定の方法による抗体の産生を必要とするとは解釈されないことを示す。例えば、本発明において有用なモノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature 256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製され得、または、組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)によって作製され得る。有用なモノクローナル抗体はまた、例えばClacksonら、Nature352:624−628(1991)およびMarksら、J.Mol.Biol.222:581−597(1991)において記載される技術を用いてファージ抗体ライブラリーから単離され得る。] [0027] 本明細書に参照されるモノクローナル抗体は、キメラ抗体(免疫グロブリン)を含み、これにおいて、重鎖および/もしくは軽鎖の一部は、特定の種に由来するまたは特定の抗体のクラスもしくはサブクラスに属する抗体中の、対応する配列と同一あるいはそれに対し相同であり、一方、鎖の残りは、別の種に由来するまたは別の抗体のクラスもしくはサブクラスに属する抗体中の、対応する配列と同一あるいはそれに対し相同である。本明細書に参照されるモノクローナル抗体は、所望の生物学的活性を示す限り、キメラ抗体の断片もまた含む(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら、Proc.Natl.Acad Sci.USA81:6851−6855(1984)を参照のこと)。] [0028] 本明細書で使用される場合、用語「発癌」とは、悪性のもしくは新生物の細胞または腫瘍の発生をいう。] [0029] 本明細書で使用される場合、用語「細胞に媒介される応答」とは、T細胞ならびに免疫機構の非特異的な細胞(NK細胞、マクロファージ、好中球、好酸球および好塩基球を含むがこれらに限定されない)によって媒介される抗原、細胞、または生物への宿主の応答をいう。] [0030] 「有効量」は、医学的病状の症状もしくは兆候を改善するためまたは防ぐために十分な量を含む。有効量はまた、診断を可能にするためまたは容易にするために十分な量を意味する。特定の患者または獣医学の被験体のための有効量は、処置される病状、患者の総合的な健康状態、投与の方法経路および用量ならびに副作用の重症度などの要因に依存して変動し得る(例えば、Nettiらに出された米国特許第5,888,530号を参照のこと)。有効量は、顕著な副作用もしくは有害な影響を避ける最大の用量または投薬のプロトコールであり得る。効果は、少なくとも5%、普通には少なくとも10%、より普通には少なくとも20%、最も普通には少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも60%、理想的には少なくとも70%、より理想的には少なくとも80%、および最も理想的には少なくとも90%の診断上の測定値またはパラメーターの改善を結果として生じる。ここで100%は、正常な被験体によって示される診断上のパラメーターとして定義される(例えば、Maynardら、(1996)A Handbook of SOPs for Good Clinical Practice,Interpharm Press,Boca Raton,FL;Dent(2001)Good Laboratory and Good Clinical Practice,Urch Publ.,London,UKを参照のこと)。] [0031] 本明細書で使用される場合、用語「FDF03阻害受容体」とは、供給源(共同に所有されるWO98/24906において開示されるFDF03阻害を含むがこれに限定されない)にかかわらず、FDF03阻害受容体タンパク質の全ての形態を含む。「FDF03活性化受容体」とは、供給源(共同に所有されるWO2000/040721において開示されるFDF03活性化受容体を含むがこれに限定されない)にかかわらず、FDF03活性化受容体タンパク質の全ての形態を含む。明確に区別されない限り、「FDF03」は両方の受容体をいい得る。] [0032] 本明細書で使用される場合、用語「転移性の腫瘍」とは、原発性の腫瘍から離れた部位で増殖する腫瘍細胞をいう。「転移の負荷」とは、転移性の腫瘍の定量化をいう。] [0033] 本明細書で使用される場合、用語「ぺプチド」とは、ぺプチド結合によって連結されているアミノ酸の比較的短い鎖を含む。用語「ぺプチド模倣物(peptidomimetic)」とは、ぺプチドを模倣するまたは拮抗することができる、ペプチド性ではない構造上の要素を含む、化合物を含む。] [0034] 本明細書で使用される場合、用語「原発性の腫瘍」とは、本来の位置にとどまっている腫瘍をいう。] [0035] 「小分子」は、腫瘍およびがんの生理機能ならびに障害の処置のために提供される。「小分子」は、10kD未満、一般に2kD未満、および好ましくは1kD未満の分子量を有する分子として定義される。小分子としては、無機分子、有機分子、無機成分を含む有機分子、放射性原子を含む分子、合成分子、ぺプチド模倣物および抗体模倣物(antibody mimetic)が挙げられるが、これらに限定されない。治療に役立つものとして、小分子は、細胞に対しより透過性であり、分解の影響をより受けにくく、および大きな分子より免疫応答を惹起する傾向が少なくあり得る。抗体およびサイトカインのぺプチド模倣物ならびに小分子の毒素などの小分子は、記載されている(例えば、Cassetら、(2003)Biochem.Biophys.Res.Commun.307:198−205;Muyldermans(2001)J.Biotechnol.74:277−302;Li(2000)Nat.Biotechnol.18:1251−1256;Apostolopoulosら、(2002)Curr.Med.Chem.9:411−420;Monfardiniら、(2002)Curr.Pharm.Des.8:2185−2199;Dominguesら、(1999)Nat.Struct.Biol.6:652−656;SatoおよびSone(2003)Biochem.J.371:603−608;Stewartらに出された米国特許第6,326,482号を参照のこと)。] [0036] 本明細書で使用される場合、用語「被験体」とは、免疫応答が惹起され得るあらゆる生きている生物をいい、好ましくは被験体は哺乳動物である。例示的な被験体としては、ヒト、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヤギ、およびヒツジが挙げられるが、これらに限定されない。] [0037] 本明細書で使用される場合、用語「T細胞」または「Tリンパ球」とは、哺乳動物、(例えば、ヒト)由来のT細胞系列内のあらゆる細胞をいう。好ましくは、T細胞はCD4および/もしくはCD8のいずれか、ならびに腫瘍特異的T細胞受容体を発現する前駆またはエフェクターT細胞である。本明細書に記載される種々のT細胞集団は、当該分野で公知である、これらのサイトカインプロフィールおよびこれらの機能に基づいて、定義され得る。] [0038] 本明細書で使用される場合、用語「処置する」とは、疾患もしくは障害を治療する、癒す、緩和する、取り除く、変える、治す、改善する、好転させるまたは疾患もしくは障害に影響する目的を伴なった、被験体への治療剤の適用もしくは投与、あるいは被験体から単離された組織または細胞株への治療剤の適用もしくは投与をいう。この被験体は、疾患もしくは障害、疾患もしくは障害の症状または疾患もしくは障害への疾病素質を有する。] [0039] 本明細書で使用される場合、用語「腫瘍」とは、あらゆる悪性のまたは新生物の細胞をいう。] [0040] (B.細胞応答の調節) 本明細書において特徴とされるのは、被験体の腫瘍に対する、細胞に媒介される応答を、刺激するまたは増大させるための方法であり、これは、この方法を必要としている被験体へ、FDF03阻害受容体の生物学的な活性を刺激する、または阻害および活性化の両方のFDF03受容体に結合する薬剤を投与することを含む。さらに本明細書において特徴とされるのは、標的に対する、細胞の細胞傷害性を上昇させる方法であり、これは、細胞に、FDF03活性を調節する薬剤の有効量を投与することを含み、ここで、FDF03阻害受容体の活性は高められる。さらに、本明細書において特徴とされるのは、腫瘍の微小環境によって誘導される免疫抑制性環境を和らげる方法である。] [0041] FDF03発現細胞が関与する、細胞に媒介されるあらゆる応答は、開示された方法を用いて、刺激され得または増強させられ得る。そのような細胞に媒介される応答は、先天免疫細胞応答を含む。細胞に媒介される応答は当該分野で使用されている慣用的方法によって測定され得る。例えば、Coliganら、eds.,CURRENTPROTOCOLS INIMMUNOLOGY(John Wiley&Sons,最新の版)を参照のこと。] [0042] 特に、FDF03活性の操作は、標的に対する、細胞の細胞傷害性の上昇を結果として生じ得る。FDF03を発現するあらゆる細胞傷害性細胞(または細胞傷害性細胞の前駆体)は、FDF03に媒介される相互作用を通じてその標的と相互作用する。すなわち、FDF03を必要とする細胞傷害性エフェクター細胞への分化および/もしくは刺激は、本方法によって調節され得る。そのような細胞としては、NK細胞、Treg、NKT細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、マクロファージ、樹状細胞、好中球およびマスト細胞が挙げられるが、これらに限定されない。細胞の細胞傷害性は、任意の適切な方法によって評価され得る。例示的な方法としては、標識された標的細胞からの放射性同位元素標識(radiolabel)(例えば、51Cr)の放出を試験すること、比色分析(例えば、CytoTox96(登録商標)非放射性分析(Promega))、グランザイム放出分析、乳酸デヒドロゲナーゼ分析、および生物発光の細胞傷害性分析(例えば、Biovision Research Products(Mountain View,CA))が挙げられる。さらに、FDF03アゴニストは、T細胞、NK細胞、NKT細胞またはB細胞の高められた誘導を引き起こし得る。これは、抗原提示プロセスまたは抗腫瘍エフェクターフェイズ(effector phase)の間に、生来の骨髄性系列細胞を、上記細胞を活性化する分子を発現するように誘導することによる;すなわち、適応免疫のエフェクター細胞の間接的な活性化である。] [0043] あらゆる適切な標的細胞は、本発明の細胞に媒介される応答、特に細胞傷害性の応答ののための標的であり得る。好ましくは、標的は哺乳動物である。標的は、応答する細胞に対して同系、同種異系、または異種であり得る。大半の実施形態において、標的は同系または同種異系である。好ましい実施形態において、標的は応答するエフェクター細胞に対して同系である。標的細胞は正常または異常な細胞であり得る。例示的細胞としては、腫瘍細胞、ウイルスに感染した細胞、および組換え法によってFDF03リガンドを発現する細胞が挙げられる。したがって、標的細胞としては、CT−26または4T1細胞などの樹立細胞株、短期間の(short term)細胞株、または被験体から取られたサンプルから単離された細胞(例えば、分離された腫瘍細胞)が挙げられるが、これらに限定されない。FDF03またはFDF03リガンドを発現する細胞において、発現は、天然におこり得、または当該分野で公知の方法を用いる組換え法によっておこり得る。例えば、CURRENTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(John Wiley&Sons,最新版)を参照のこと。] [0044] いくつか実施形態において、腫瘍標的または他の細胞標的は、FDF03に対するリガンドを発現する。ときには、FDF03リガンド(またはFDF03関連リガンド)はCD99である。] [0045] 一つの実施形態において、本方法の薬剤は、アゴニストFDF03特異的抗体またはこれの生物学的に活性な断片である。アゴニスト抗体は、阻害FDF03受容体を認識する。さらに、FDF03の阻害および活性化の両方の形態を認識する二重特異的な抗体は、有用である。例示的抗体としては、二重特異的なFDF03抗体およびFDF03阻害受容体に対して特異的なアゴニスト抗体が挙げられる。二重特異的な抗体は、両方の受容体と天然で交差反応する抗体、または遺伝学的に操作された抗体であり得る。抗体は、細胞培養物、ファージ、または種々の動物(ウシ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、類人猿が挙げられるがこれらに限定されない)において生成され得る。したがって、本方法において有用である抗体は、一般に、哺乳動物の抗体である。ファージ技術は、初期の抗体を単離するため、または変化させられた特異性もしくはアビディティ特性を有する改変体を生成するために使用され得る。そのような技術は、当該分野で慣用されており、かつ周知である。一つの実施形態において、抗体は当該分野で公知の組換え法によって産生される。例えば、組換え抗体は、宿主細胞に、抗体をコードしているDNA配列を含むベクターをトランスフェクトすることによって産生され得る。一つまたはそれより多数のベクターは、宿主細胞で少なくとも一つのVLおよび少なくとも一つのVH領域を発現するDNA配列をトランスフェクトするために使用され得る。抗体生成および産生の組換え法の例示的説明としては、Delves,ANTIBODY PRODUCTION:ESSENTIAL TECHNIQUES(Wiley,1997);Shephardら,MONOCLONALANTIBODIES(Oxford University Press,2000);およびGoding,MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE(Academic Press,1993)が挙げられる。] [0046] 本方法において有用な抗体は、増大された半減期などの所望の機能を媒介することにおける、抗体のより強い効能を増大させるために組換え法によって修飾され得る。例えば、Borrebaeck(ed.)ANTIBODY ENGINEERING(Oxford University Press,1995)を参照のこと。例えば、抗体は、組換え法を用いる置換によって修飾され得る。一般に、置換は保存的置換である。例えば、抗体の定常領域における少なくとも一つのアミノ酸は、異なる残基で置き換わられ得る。例えば、米国特許第5,624,821号、米国特許第6,194,551号、出願番号WO99/58572;およびAngalら,Mol.Immunol.30:105−08(1993)を参照のこと。アミノ酸における修飾としては、アミノ酸の欠失、付加および置換が挙げられる。抗体はまた、抗体またはこれの生物学的に活性な断片が、別の生物学的に関連する作用物質(例えば、サイトカイン、接着分子、共起刺激分子など、およびそのような分子の生物学的に関連する一部)と結合されている融合タンパク質であり得る。] [0047] いくつかの実施形態において、本方法において有用である薬剤は、FDF03阻害受容体に特異的な抗体、FDF03二重特異的抗体、またはこれらの生物学的に活性な断片である。モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、およびヒト化抗体が調製され得る(例えば、SheperdおよびDean(eds.)(2000)Monoclonal Antibodies,Oxford Univ.Press,New York,NY;KontermannおよびDubel(eds.)(2001)Antibody Engineering,Springer−Verlag,New York;HarlowおよびLane(1988)Antibodies A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,pp.139−243;Carpenterら(2000)J.Immunol.165:6205;Heら(1998)J.Immunol.160:1029;Tangら(1999)J.Biol.Chem.274:27371−27378;Bacaら(1997)J.Biol.Chem.272:10678−10684;Chothiaら(1989)Nature342:877−883;FooteおよびWinter(1992)J.Mol.Biol.224:487−499;Vasquezらに出された米国特許第6,329,511号を参照のこと)。] [0048] 抗原の精製は、抗体の生成のために必要ではない。免疫はDNAベクター免疫によって行われ得る(例えば、Wangら(1997)Virology228:278−284を参照のこと)。また、動物は、目的の抗原を有する細胞を用いて免疫され得る。脾細胞(splenocyte)は、その後、免疫された動物から単離され得、そしてこの脾細胞は、ハイブリドーマを産生するために骨髄腫細胞株と融合し得る(Meyaardら(1997)Immunity7:283−290;Wrightら(2000)Immunity13:233−242;Prestonら(1997)Eur.J.Immunol.27:1911−1918)。結果として生じるハイブリドーマは、機能的な分析または生物学的な分析(すなわち、精製された抗原の入手に依存しない分析)によって、所望の抗体の産生についてスクリーニングされ得る。細胞を用いる免疫は、抗体生成について、精製された抗原を用いる免疫より優れていることを証明し得る(Kaithamanaら(1999)J.Immunol.163:5157−5164)。] [0049] 抗原に対する抗体および受容体に対するリガンドの結合特性は、例えば、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance)(Karlssonら(1991)J.Immunol.Methods145:229−240;Neriら(1997)Nat.Biotechnol.15:1271−1275;Jonssonら(1991)Biotechniques 11:620−627)または競合(competition)ELISA(Friguetら(1985)J.Immunol.Methods 77:305−319;Hubble(1997)Immunol.Today 18:305−306)によって測定され得る。抗体は、抗体の標的の抗原および関連する結合されたタンパク質を単離するため、アフィニティ精製に用いられ得る。例えば、Wilchekら(1984)Meth.Enzymol.104:3−55を参照のこと。] [0050] 抗体は、普通には少なくとも約10−3M、より普通には少なくとも10−6M、一般には少なくとも10−7M、より一般には少なくとも10−8M、好ましくは少なくとも約10−9M、およびより好ましくは少なくとも10−10M、および最も好ましくは少なくとも10−11MのKDで、結合する(例えば、Prestaら(2001)Thromb.Haemost.85:379−389;Yangら(2001)Crit.Rev.Oncol.Hematol.38:17−23;Carnahanら(2003)Clin.Cancer Res.(Suppl.)9:3982s−3990sを参照のこと)。] [0051] いくつか実施形態において、被験体はがんを有し、そして以下に記載されるように本発明の薬剤を用いて処置され得る。] [0052] (C.FDF03阻害薬剤を用いる処置の方法) 本明細書において特徴とされるのは、がんを防ぐまたは処置する方法であり、これは、がんを防ぐまたは処置することを必要としている被験体に、FDF03阻害受容体の生物学的な活性を刺激する有効量の薬剤を投与することを含む。いくつか実施形態において、がんは皮膚がんである。] [0053] 本方法によって処置される被験体としては、腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫、肉腫、または奇形癌を有する被験体が挙げられる。腫瘍は、副腎、膀胱、骨組織、骨髄、脳、胸部、頚部、胆嚢、神経節、胃腸管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状の、および子宮のがんであり得る。そのような腫瘍としては:中枢神経系の新生物:多形性グリア芽細胞腫、神経膠星状細胞腫、乏突起膠細胞性腫瘍、上衣および脈絡膜叢腫瘍、松果の腫瘍、ニューロンの腫瘍、髄芽細胞腫、神経鞘腫、髄膜腫、髄膜の肉腫:眼の新生物:基底細胞癌、扁平上皮癌、黒色腫、横紋筋肉腫、網膜芽細胞腫;内分泌腺の新生物:下垂体性の新生物、甲状の新生物、副腎皮質の新生物、神経内分泌系の新生物、消化器(gastroenteropancreatic)内分泌系の新生物、性腺の新生物、頭および頚部の新生物:頭および頚部のがん、口腔、咽頭、喉頭、歯原性腫瘍:胸郭の新生物:大細胞肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、胸郭の新生物、悪性の中皮腫、胸腺腫、胸郭の原発性生殖細胞腫瘍;消化管の新生物:食道の新生物、胃の新生物、肝臓の新生物、胆嚢の新生物、外分泌の膵臓の新生物、小腸の新生物、虫垂および腹膜、結腸および直腸の腺癌,肛門の新生物;尿生殖路の新生物:腎細胞癌、腎盤および尿管の新生物、膀胱の新生物、尿道の新生物、前立腺の新生物、陰茎の新生物、精巣の新生物;女性の生殖器官の新生物:外陰部および膣の新生物、頚部の新生物、子宮体の腺癌、卵巣がん、婦人科学の肉腫;胸部の新生物;皮膚の新生物:基底細胞癌、扁平上皮癌、皮膚線維肉腫、メルケル細胞腫;悪性の黒色腫;骨組織および軟組織の新生物:骨原性肉腫、悪性の線維性組織球腫、軟骨肉腫(chrondrosarcoma)、ユーイング肉腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、血管肉腫;造血系の新生物:骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、HTLV−1およびT細胞白血病/リンパ腫、慢性リンパ性白血病、ヘアリーセル白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、マスト細胞白血病;小児の新生物:急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫、骨組織の腫瘍、横紋筋肉腫、リンパ腫、腎臓および肝臓の腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。] [0054] あらゆる被験体は、本明細書で提供される方法および組成物を用いて処置され得る。そのような被験体は、そのような処置を必要としている、哺乳動物、好ましくは、ヒトである。開示された方法および組成物の獣医学的な使用もまた、意図される。そのような使用は、人に飼育されている動物、家畜および純血種の馬における、発癌の予防、がんの処置ならびに自己免疫疾患の予防および処置を含む。] [0055] 種々の薬学的組成物ならびにそれらの調製および使用のための技術は、本開示を鑑みて、当業者に公知である。適切な薬理学的組成物および関連する投与上の技術の詳細な列挙のために、本明細書の詳細な教示を参照し得、これは、REMINGTON:THESCIENCE AND PRACTICE OFPHARMACY 20th Ed. (Lippincott,Williams&Wilkins2003などの文書によってさらに補われ得る。] [0056] 処方および送達方法は、通常、処置される部位および疾患に応じて適合させられる。例示的処方物としては、非経口の投与(例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、または皮下投与)に適した処方物が挙げられるが、これに限定されない。非経口の投与に適した処方物は、ミセル、リポソームまたは薬物放出被膜に被包された処方物(遅い放出のために設計された生体適合性(biocompatible)コーティング内に組み入れられた活性な薬剤);摂取可能な処方物;クリーム、軟膏およびゲルなどの局所的な使用のための処方物;ならびに吸入剤,エアロゾルおよびスプレーなどの他の処方物を含む。本発明の化合物の投与量は、処置の必要性の程度および重症度、投与される組成物の活性、被験体の全体的な健康状態、ならびに当業者に周知である他の考慮すべきことにしたがって、変動する。] [0057] そのような化合物の毒性および治療上の効能は、細胞培養物または実験用動物において標準的薬学的手順によって決定され得る(例えば、LD50(集団の50%に対して致死である用量)およびED50(集団の50%において治療学上有効である用量)の決定)。有害な影響と治療上の効果との間の用量比は、治療指数であり、そしてそれはLD50とED50との間の比として表され得る。高い治療指数を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養物分析および動物研究から取得されるデータは、ヒトにおける使用に対し、投与量の範囲を公式化する上で使用され得る。そのような化合物の投与量は、好ましくは、毒性がほとんどないまたは毒性がないED50を含む、循環濃度(circulating concentration)の範囲内に位置する。投与量は、使用される投与形態および利用される投与の経路に依存して、上記の範囲内で変動し得る。的確な処方物、投与の経路および投与量は、患者の病状、年齢、体重、ならびに、治療の反応性を考慮して、個々の医師によって選択され得る。投薬の量および間隔は、所望の治療上の効果または最小有効濃度(MEC)を維持するために十分である、活性部分の血漿レベルを提供するために、個々に調節され得る。MECは、各化合物について変動するが、インビトロのデータ(例えば、FDF03阻害受容体の生物学的活性の50〜90%の刺激を達成するために必要な濃度)から見積もられ得る。] [0058] 投与の様式は、特に重要ではない。一つの実施形態において、投与の様式は、I.V.ボーラスである。別の実施形態において、投与は局所的である。あるいは、例えば、腫瘍または自己免疫病変への、しばしば貯蔵のもしくは徐放性処方物での、化合物の直接的な注射を介して、全身性の様式ではなく局所的に化合物を投与し得る。] [0059] 本発明の調節薬剤は、単独または一つもしくはそれより多い追加の薬剤との組み合わせにおいて投与され得る。例えば、一つの実施形態において、本明細書に記載される二つまたはそれより多い薬剤が、被験体に投与され得る。別の実施形態において、本明細書に記載される薬剤は、他の免疫調節薬剤との組み合わせにおいて投与され得る。他の免疫調節試薬の例としては、共起刺激のシグナルを遮断する抗体(例えば、CD28、ICOSに対する抗体)、CTLA4を介する阻害シグナルを活性化する抗体、および/または他の免疫細胞マーカーに対する抗体(例えば、CD40に対する抗体、CD40リガンドに対する抗体、もしくはサイトカインに対する抗体)、融合タンパク質(例えば、CTLA4−Fc、PD−1−Fc)、および免疫抑制性薬剤(例えば、ラパマイシン、シクロスポリンAもしくはFK506)が挙げられる。免疫調節試薬のなおより多くの例としては、トル(toll)様受容体(TLR)のアゴニスト(例えば、CpGODNオリゴ)が挙げられる。ある例において、免疫応答を上方に調節する他の薬剤(例えば、免疫応答を惹起するまたは増強させるため、T細胞活性化シグナルを送達する薬剤)をさらに投与することが望ましくあり得る。そのような薬剤としては、IL−2、IL−10、IFN−αおよびIFN−γなどのサイトカインの共投与(co−administration)が挙げられるが、これに限定されない。抗IL−10などのサイトカインアンタゴニストもまた、意図される。 (D.治療学の組成物、方法) 本発明は、例えば、増殖性の病状および障害(がん、腫瘍、新脈管形成、悪液質、がん悪液質、食欲不振、および前がん障害(例えば、形成異常症)を含む)の処置における使用のためのFDF03抗体を提供する。] [0060] 薬学的または滅菌の組成物(FDF03阻害受容体のアゴニスト、サイトカインアナログもしくはムテイン、それらに対する抗体、またはそれらの核酸を含む)を調製するために、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と混合される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and U.S. Pharmacopeia:National Formulary,Mack Publishing Company,Easton,PA(1984)を参照のこと。治療上および診断上の薬剤の処方物は、例えば、凍結乾燥された粉末、スラリー、水性の溶液もしくは懸濁物などの形態において、生理学的に受容可能な担体、賦形剤、または安定薬と混合することによって調製され得る(例えば、Hardmanら(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw−Hill,New York,NY;Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott,Williams,and Wilkins,New York,NY;Avisら(eds.)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Marcel Dekker,NY;Liebermanら(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Marcel Dekker,NY;Liebermanら(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Marcel Dekker,NY;WeinerおよびKotkoskie(2000)Excipient Toxicity and Safety,Marcel Dekker,Inc.,New York,NYを参照のこと)。] [0061] 投与の経路は、例えば、局所的なもしくは皮膚の塗布によるか、皮下注射によるか、静脈内、腹腔内、大脳内、筋肉内、眼内、動脈内、脳脊髄内、病巣内(intralesional)、もしくは肺の経路による注射または注入によるか、あるいは徐放性システムまたは埋没物による。遺伝子転移ベクター(例えば、中枢神経系のための遺伝子転移ベクター)は、記載されている(例えば、Cuaら(2001)J.Immunol.166:602−608;Sidmanら(1983)Biopolymers 22:547−556;Langerら(1981)J.Biomed.Mater.Res.15:167−277;Langer(1982)Chem.Tech.12:98−105;Epsteinら(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−3692;Hwangら(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−4034;米国特許第6,350466号および第6,316,024号を参照のこと)。] [0062] 治療薬(therapeutic)のために投与レジメンを選択することは、いくつかの要因(存在物の血清または組織のターンオーバー速度、症状のレベル、存在物の免疫抗原性、および生物学的なマトリックス内の標的細胞の接近しやすさを含む)に依存する。好ましくは、投与レジメンは、副作用の受容可能なレベルと両立させて、患者に送達される治療上の量を最大化する。したがって、送達される生物製剤の(biologic)量は、一部、特定の存在物および処置される病状の重症度に依存する。抗体、サイトカイン、および小分子の適切な用量の選択における手引きは、入手できる(例えば、Wawrzynczak(1996)Antibody Therapy,Bios Scientific Pub.Ltd,Oxfordshire,UK;Kresina(ed.)(1991)Monoclonal Antibodies,Cytokines and Arthritis,Marcel Dekker,New York,NY;Bach(ed.)(1993)Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases,Marcel Dekker,New York,NY;Baertら(2003)New Engl.J.Med.348:601−608;Milgromら(1999)New Engl.J.Med.341:1966−1973;Slamonら(2001)New Engl.J.Med.344:783−792;Beniaminovitzら(2000)New Engl.J.Med.342:613−619;Ghoshら(2003)New Engl.J.Med.348:24−32;Lipskyら(2000)New Engl.J.Med.343:1594−1602を参照のこと)。] [0063] 抗体、抗体の断片、およびサイトカインは、連続的な注入によって、または、例えば、一日、一週間、もしくは週当たり1〜7回の間隔での用量によって提供され得る。用量は、静脈内に、皮下に、局所的に、口に、鼻に、直腸に、筋肉内に、大脳内に、脊髄内に、または吸入によって提供され得る。好ましい用量のプロトコールは、顕著な望ましくない副作用を避ける最大の用量または用量頻度を含むものである。週単位の全用量は、普通には少なくとも0.05μg/kg体重、より普通には少なくとも0.2μg/kg、最も普通には少なくとも0.5μg/kg、一般的には少なくとも1μg/kg、より一般的には少なくとも10μg/kg、最も一般的には少なくとも100μg/kg、好ましくは少なくとも0.2mg/kg、より好ましくは少なくとも1.0mg/kg、最も好ましくは少なくとも2.0mg/kg、最適には少なくとも10mg/kg、より最適には少なくとも25mg/kg、および最も最適には少なくとも50mg/kgである(例えば、Yangら(2003)New Engl.J.Med.349:427−434;Heroldら(2002)New Engl.J.Med.346:1692−1698;Liuら(1999)J.Neurol.Neurosurg.Psych.67:451−456;Portieljiら(20003)Cancer Immunol.Immunother.52:133−144を参照のこと)。小分子治療薬(例えば、ぺプチド模倣物、天然産物、もしくは有機化学物質)の所望の用量は、モル/kgの基準において、抗体またはポリペプチドのためのものとほぼ同じである。] [0064] 特定の患者に対する有効量は、処置される病状、患者の総合的な健康状態、投与の方法経路および用量ならびに副作用の重症度などの要因に依存して変動し得る(例えば、Maynardら(1996)A Handbook of SOPs for Good Clinical Practice, Interpharm Press,Boca Raton,FL;Dent(2001)Good Laboratory and Good Clinical Practice,Urch Publ.,London,UKを参照のこと)。] [0065] 一般的な獣医学の、実験用の、または研究の被験体としては、サル、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウサギ、モルモット、ウマ、およびヒトが挙げられる。] [0066] 適切な用量の決定は、臨床家によって、例えば、処置に影響することが当該分野で公知であるもしくは疑われているパラメーターまたは要因、あるいは処置に影響することが予測されているパラメーターまたは要因を用いて、行われる。通常、用量は、最適な用量よりやや少ない量で始め、そして、その後は、あらゆる害のある(negative)副作用と比較して、所望のまたは最適の効果が達成されるまで、わずかな増加量ずつ増大させられる。重要な診断上の測定としては、例えば炎症の、症状の測定、または産生される炎症性サイトカインのレベルの測定が挙げられる。好ましくは、使用される生物製剤は、処置に対し標的とされる動物と同じ種に由来し、それによって、試薬への体液性の応答を最小にする。] [0067] 第二の治療剤(例えば、サイトカイン、ステロイド、化学療法の薬剤、抗生物質、もしくは放射線)を用いる共投与または処置のための方法は、当該分野で周知である(例えば、Hardmanら(eds.)(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,10th ed.,McGraw−Hill,New York,NY;PooleおよびPeterson(eds.)(2001)Pharmacotherapeutics for Advanced Practice:A Practical Approach,Lippincott,Williams&Wilkins,Phila.,PA;ChabnerおよびLongo(eds.)(2001)Cancer Chemotherapy and Biotherapy,Lippincott,Williams&Wilkins,Phila.,PAを参照のこと)。治療薬の有効量は、一般には少なくとも10%;普通には少なくとも20%;好ましくは少なくとも約30%;より好ましくは少なくとも40%、および最も好ましくは少なくとも50%、症状を減らす。] [0068] (E.キットおよび診断の試薬) 本発明は、診断のキットにおけるFDF03タンパク質、その断片、核酸、およびその断片を提供する。結合組成物(FDF03の検出のための抗体または抗体断片、ならびにそれらの代謝産物および分解産物を含む)もまた提供される。一般に、キットは、FDF03ポリぺプチド、もしくはその抗原性断片のいずれか、それらへの結合組成物、または核酸(例えば、核酸のプローブもしくはプライマー)を含む区画を有する。核酸のプローブもしくはプライマーは、FDF03の活性化または阻害形態のいずれかをコードしている核酸に、ストリンジェント条件下で特異的にハイブリダイズする。] [0069] キットは、例えば、試薬および区画、試薬および使用のための指示書、または区画を伴なう試薬および使用のための指示書を含み得る。試薬は、FDF03タンパク質もしくはそれの抗原性の断片、結合組成物、または核酸を含み得る。例えば、生物学的なサンプルからもしくは化学物質のライブラリーから得られる、試験化合物の結合を決定するためのキットは、対照化合物、標識された化合物、および結合され標識された化合物から遊離の標識された化合物を分離するための方法を含み得る。] [0070] 診断上の分析は、生きている細胞、細胞抽出物、細胞溶解産物、固定された細胞、細胞培養物、体液、または法医学のサンプルなどの生物学的な物質で用いられ得る。診断またはキットの目的のために有用である結合体化抗体としては、色素、同位体、酵素、および金属と連結された抗体が挙げられる(例えば、Le Doussalら(1991)New Engl.J.Med.146:169−175;Gibelliniら(1998)J.Immunol.160:3891−3898;HsingおよびBishop(1999)New Engl.J.Med.162:2804−2811;Evertsら(2002)New Engl.J.Med.168:883−889を参照のこと)。放射性同位元素標識免疫測定法(RIA)、ELISA、およびラボオンチップ(lab on a chip)(米国特許第6,176,962号および第6,517,234号)などの、種々の分析のフォーマットが存在する。] [0071] 本発明は、例えば、増殖性の病状、がん、腫瘍、および前がん障害(例えば、形成異常)の診断のための診断キットにおける、FDF03受容体のポリペプチドおよび核酸、これらの断片を提供する。] [0072] FDF03受容体ならびにそれの代謝産物および分解産物の検出のための、結合組成物(抗体または抗体断片を含む)もまた提供される。一般に、キットは、FDF03阻害受容体ポリぺプチドもしくはFDF03活性化受容体ポリぺプチドのいずれか、またはそれらの抗原性の断片、それに対する結合組成物、あるいは核酸(核酸プローブ、プライマー、または分子ビーコンなど)を含む区画を有する(例えば、Rajendranら(2003)Nucleic AcidsRes.31:5700−5713;Cockerill(2003)Arch.Pathol.Lab.Med.127:1112−1120;Zammatteoら(2002)Biotech.Annu.Rev.8:85−101;Klein(2002)Trends Mol.Med.8:257−260を参照のこと)。] [0073] 診断の方法は、被験体(例えば、試験被験体)からのサンプルを、FDF03阻害受容体と特異的に結合する、結合組成物と、または阻害受容体もしくは活性化受容体の両方と結合する、二重特異的な結合組成物と接触させることを含み得る。上記方法は、対照被験体、正常な被験体からのサンプル、または試験被験体からの正常な組織もしくは流体と、結合組成物を接触させることをさらに含み得る。さらに、上記方法は、試験被験体への組成物の特異的な結合と、正常な被験体、対照被験体、または試験被験体からの正常な組織もしくは流体への組成物の特異的な結合とを比較することを加えて含み得る。試験サンプルもしくは試験被験体の発現または活性は、対照サンプルもしくは対照被験体からの発現または活性と比較され得る。対照サンプルは、例えば、免疫障害に罹患した患者における冒されていないまたは炎症を起こしていない組織のサンプルを含み得る。対照被験体もしくは対照サンプルからの発現または活性は、例えば、対照被験体の統計的に適切な群から得られる、前もって算定される値として提供され得る。] [0074] 本発明の一般的な範囲は、以下の実施例の参照によって、最もよく理解される。以下の実施例は、本発明を具体的な実施形態に限定するとは意図されない。] [0075] 本明細書における全ての引用は、あたかも各個々の出版物または特許出願が参照によって援用されるように、具体的にかつ個々に示される場合と同程度の範囲まで、参照によって本明細書に援用される。] [0076] 本発明の多数の変更および変化は、当業者に明白であるように、その精神および範囲から逸脱することなく行われ得る。本明細書に記載される具体的な実施形態は、単に例として示され、そして本発明は、等価物の完全な範囲(添付の特許請求の範囲が権利を有する)とともに、そのような特許請求の範囲の用語によって限定され、そして、本発明は、例として本明細書に示されている具体的な実施形態によって制限されることはない。] [0077] (実施例) (I.一般的な方法) 分子生物学における標準的方法は、記載されている(Maniatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;SambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor, NY;Wu(1993)Recombinant DNA,Vol.217,Academic Press,San Diego,CA)。標準的方法はまたAusbelら(2001)Current Protocols in Molecular Biology,Vols.1−4,John Wiley and Sons,Inc.New York,NYに載っており、これは、細菌の細胞におけるクローニングおよびDNA変異誘発(Vol.1)、哺乳動物の細胞および酵母におけるクローニング(Vol.2)、複合糖質およびタンパク質の発現(Vol.3)ならびにバイオインフォマティクス(Vol.4)を記載している。] [0078] 免疫沈降、クロマトグラフィ、電気泳動、遠心分離、および結晶化を含む、タンパク質精製のための方法は記載されている(Coliganら(2000)Current Protocols in Protein Science,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York)。化学的分析、化学的修飾、翻訳後修飾、融合タンパク質の産生、タンパク質の糖化は、記載されている(例えば、Coliganら(2000)Current Protocols in Protein Science,Vol.2,John Wiley and Sons,Inc.,New York;Ausubelら (2001)Current Protocols in Molecular Biology,Vol.3,John Wiley and Sons,Inc.,NY,NY,pp.16.0.5−16.22.17;Sigma−Aldrich,Co.(2001)Products for Life Science Research,St.Louis,MO;pp.45−89;Amersham Pharmacia Biotech(2001)BioDirectory,Piscataway,N.J.,pp.384−391を参照のこと)。ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の産生、精製、ならびに断片化は記載されている(Coliganら(2001)Current Protcols in Immunology,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York;HarlowおよびLane(1999)Using Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;HarlowおよびLane,上記)。リガンド/受容体の相互作用を特徴付けるための標準的技術が利用可能である(例えば、Coliganら(2001)Current Protcols in Immunology,Vol.4,John Wiley,Inc.,New Yorkを参照のこと)。] [0079] フローサイトメトリーのための方法(蛍光細胞分析分離(FACS)を含む)が、利用可能である(例えば、Owensら(1994)Flow Cytometry Principles for Clinical Laboratory Practice,John Wiley and Sons,Hoboken,NJ;Givan(2001)Flow Cytometry,2nd ed.;Wiley−Liss,Hoboken,NJ;Shapiro(2003)Practical Flow Cytometry,John Wiley and Sons,Hoboken,NJを参照のこと)。例えば、診断試薬としての使用のための、核酸(核酸プライマーおよびプローブを含む)、ポリペプチドならびに抗体の修飾に適している蛍光試薬は入手できる(Molecular Probes(2003)Catalogue,Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR;Sigma−Aldrich(2003)Catalogue,St.Louis,MO)。] [0080] 免疫機構の組織学の標準的な方法は、記載されている(例えば、Muller−Harmelink(ed.)(1986)Human Thymus:Histopathology and Pathology,Springer Verlag,New York,NY;Hiattら(2000)Color Atlas of Histology,Lippincott,Williams and Wilkins,Phila,PA;Louisら(2002)Basic Histology:Text and Atlas,McGraw−Hill,New York,NYを参照のこと)。] [0081] がんの処置および診断のための方法は、記載されている(例えば、Alison(ed.)(2001)The Cancer Handbook,Grove’s Dictionaries,Inc.,St.Louis,MO;Oldham(ed.)(1998)Principles of Cancer Biotherapy,3rd. ed.,Kluwer Academic Publ.,Hingham,MA;Thompsonら(eds.)(2001)Textbook of Melanoma,Martin Dunitz,Ltd.,London,UK;Devitaら(eds.)(2001)Cancer:Principles and Practice of Oncology,6th ed.,Lippincott,Phila,PA;Hollandら(eds.)(2000)Holland−FreiCancer Medicine,BC Decker,Phila.,PA;GarrettおよびSell(eds.)(1995)Cellular Cancer Markers,Humana Press,Totowa,NJ;MacKie(1996)Skin Cancer,2nd ed.,Mosby,St.Louis;Moertel(1994)New Engl.J.Med.330:1136−1142;Engleman(2003)Semin.Oncol.30(3 Suppl.8):23−29;Mohrら(2003)Onkologie26:227−233を参照のこと)。] [0082] 例えば、抗原性断片、リーダー配列、タンパク質フォールディング、機能ドメイン、糖化部位および配列のアライメントを決定するためのソフトウェアパッケージならびにデータベースが利用可能である(例えば、GenBank,VectorNTI(登録商標)Suite(Informax,Inc,Bethesda,MD);GCG Wisconsin Package(Accelrys,Inc.,San Diego,CA);DeCypher(登録商標)(TimeLogic Corp.,Crystal Bay,Nevada);Menneら(2000)Bioinformatics 16:741−742;Menneら(2000)Bioinformatics Applications Note 16:741−742;Wrenら(2002)Comput.MethodsPrograms Biomed.68:177−181;von Heijne(1983)Eur.J.Biochem.133:17−21;von Heijne(1986)Nucleic Acids Res.14:4683−4690を参照のこと)。] [0083] (II.FDF03受容体抗体の生成) FDF03活性化受容体−Ig融合タンパク質を構築した。これはヒトIgG1のFc部分に融合されたマウスFDF03活性化受容体の細胞外のドメインからなった。上記細胞外残基(アミノ酸29−192に対応する、例えば、GenBankAccession No.Q9UKJ0を参照のこと)を、プラスミドLL1091を産生するため、修飾されたpCDM8.Ig発現プラスミド(E.E Batesら(1998)Mol Immunol.35:513)のXho1部位にサブクローン化した。LL1091を、可溶性FDF03活性化受容体−Ig融合タンパク質を産生するために293T細胞中で一時的に発現させた。Lewisラットを、融合タンパク質を用いて免疫した。ハイブリドーマ融合物を、免疫したFDF03活性化受容体−Ig融合タンパク質(そして、陰性の対照として、無関係のヒトIg融合タンパク質)に対する、ELISAによって選別した。] [0084] 32種の、抗体を産生しているハイブリドーマを選択し、そして抗体をマウスマスト細胞脱顆粒分析に基づいてさらに選別した。抗FDF03 mAbは、活性化FDF03がトランスフェクトされたマスト細胞株DT865の脱顆粒を誘導した。抗FDF03抗体の滴定を、96ウェルの平らな底のプレート内で50ul分析培地内(RPMI,1%BSA,25mM Hepes)で行った。マウスFDF03活性化受容体を発現しているマウスマスト細胞(DT865)を遠心沈殿(spin down)し、そして2×106/mlに再懸濁し、100ul/ウェルを抗体滴定に添加した。細胞を37o、5%CO2で1時間培養した。刺激期の終わりに、20ulを各ウェルから除去し、そして60ulの1.3mg/ml B−ヘキソサミニダーゼ基質(4−ニトロフェニルN−アセチル−b−D−グルコサミド,Sigma N9376)に移した。上清/基質反応を3.5時間、37℃で進行させた。反応を0.2Mグリシン、pH10.7の添加によって停止させ、そしてOD405−570を脱顆粒の程度を評価するために測定した。] [0085] FDF03阻害受容体−Ig融合タンパク質は、ヒトIgG1のFc部分に融合されたマウスFDF03阻害受容体の細胞外ドメインからなった。上記細胞外残基(アミノ酸29−200に対応する;例えば、GenBankAccession No.NP_038467を参照のこと)を、プラスミドLL1090を産生するため、修飾されたpCDM8.Ig発現プラスミド(E.E Batesら、上記)のXho1部位にサブクローン化した。LL1090を、可溶性FDF03阻害受容体−Igを産生するために293T細胞中で一時的に発現させた。Lewisラットを、三個のKLHが結合されたぺプチド(Invitrogen)、およびマウスFDF03阻害受容体−Igタンパク質を用いて免疫した。融合物を、免疫した融合タンパク質(そして、陰性の対照として、無関係のヒトIg融合タンパク質)に対する、ELISAによって選別した。] [0086] 抗マウスFDF03阻害受容体抗体の滴定を、96ウェルの平らな底のプレート内で50ul分析培地内(RPMI,1%BSA,25mM Hepes)で行った。マウスFDF03阻害受容体を発現しているマウスマスト細胞(DT866)を遠心沈殿し、そして2×106/mlに再懸濁し、100ul/ウェルを抗体滴定に添加した。最終濃度が1ug/mlになるように、刺激する抗CD200R抗体、DX87を、その後50ul/ウェルで添加した。細胞を37o、5%CO2で30分間培養した。ウェルを2回洗浄した。ヤギの抗マウスIgを架橋試薬として10ug/mlで添加した。細胞を37o、5%CO2で1時間培養した。刺激期の終わりに、20ulを各ウェルから除去し、そして60ulの1.3mg/ml β−ヘキソサミニダーゼ基質(4−ニトロフェニルN−アセチル−b−D−グルコサミド,Sigma N9376)に移した。上清/基質反応を3.5時間、37℃で進行させた。反応を0.2Mグリシン、pH10.7の添加によって停止させ、そしてOD405−570を測定し、CD200Rが誘導する脱顆粒の阻害の程度を評価した。] [0087] (III.4T1腫瘍モデルにおけるFDF03(DX173)処置) DX173抗体は、活性化および阻害の両方のマウスFDF03受容体を認識する。ラットの抗ヒトIL−4 mAb(25D2)を対照として用いた。平板培養された4T1腫瘍細胞をトリプシン処理し(TrypLE)そしてFBSを除去するためにPBS(45ml)中で2回洗浄した。細胞をその後、1.0×106細胞/mlの濃度でPBS中に再懸濁し、そして氷上に置いた。マウスに200μL(2.0×105 細胞)を皮下に注射した。注射を膝から1.5CM尾側の左側腹部および膝から約0.5CM腹側の左側腹部に行った。] [0088] 腫瘍移植後7日目に、動物を、表1において記載しているように、腫瘍の大きさの視覚的評価に基づいて3群に無作為に割り当てた(一群当たりn=8)。腫瘍移植後7日目に、動物はまた、PBS(緩衝液の対照)、1mgのIgG1アイソタイプmAb(PAB557)(Ab対照)、または1mgの抗FDF03二重特異的mAb(DX173)のいずれかの皮下注射(250μL容量にて)を受けた。動物を、3週間にわたって、このレジメンを用いて週当たり3回処置した。] [0089] 腫瘍の大きさを、ノギスを用いて、三種の寸法(幅および長さおよび高さ)において測定し、そして腫瘍体積を、以下の式を用いて計算した:4/3π(l/2)(w/2)(h/2)式中l、w、およびhは、長さ、幅、および高さをそれぞれ表す。腫瘍を、腫瘍増殖に対する処置の効果を評価するために、定期的に測定した。統計分析を、t検定を用いて行った。最後の2回の測定(25および28日目)は、PBSおよびアイソタイプ処置のそれぞれのための6匹の動物ならびにDX173処置のための5匹の動物を含んだ(動物の残りを骨髄性細胞分析のために用いた)。肺転移を測定するために、肺組織を、10%の緩衝化されたホルマリン中で固定した。肺表面上の肺の転移性の病変の数を解剖顕微鏡下で定量化した。] [0090] 図1および2は、二重特異的DX173抗体が、統計的に有意な様式において、腫瘍増殖を阻害または低減できたことを示す。図3は、DX173が、4T1腫瘍によって引き起こされる肺転移を低減することができたことを示す。] 図1 図3 [0091] (IV.CT26腫瘍モデルにおけるFDF03(DX276およびDX173)処置) DX276 Abは、阻害FDF03を認識し、ならびにDX173 Abは、活性化および阻害の両方のFDF03を認識する。平板培養されたCT26腫瘍細胞を、トリプシン処理し(TrypLE)そしてFBSを除去するためにPBS(45ml)中で2回洗浄した。細胞をその後、1.0×106細胞/mlの濃度でPBS中に再懸濁し、そして氷上に置いた。マウスに200μL(2.0×105細胞)を皮下に注射した。注射を膝から1.5CM尾側の左側腹部および膝から約0.5CM腹側の左側腹部に行った。腫瘍移植後7日目に、動物を、表2において記載しているように、腫瘍の大きさの視覚的評価に基づいて4群に無作為に割り当てた(一群当たりn=6)。腫瘍移植後8日目に、動物はまた、PBS(緩衝液の対照)、1mgのIgG1アイソタイプmAb(PAB557)(Ab対照)、1mgの抗FDF03二重特異的mAb(DX173)、または1mgの抗FDF03阻害mAb(DX276)のいずれかの皮下注射(250μL容量にて)を受けた。動物を、3週間にわたって、このレジメンを用いて週当たり3回処置した(全9回の処置)。] [0092] 腫瘍の大きさを、ノギスを用いて三種の寸法(幅および長さおよび高さ)において測定し、そして腫瘍体積を、以下の式を用いて計算した:4/3π(l/2)(w/2)(h/2)式中l、w、およびhは、長さ、幅、および高さをそれぞれ表す。腫瘍を、腫瘍増殖に対する処置の効果を評価するために、定期的に測定した。] 実施例 [0093] 図4および5は、FDF03(DX276)の阻害形態に特異的なアゴニストmAbが、腫瘍増殖および腫瘍形成の最も高いレベルを有したことを示す。] 図4
权利要求:
請求項1 腫瘍増殖の阻害を必要としている被験体に、FDF03阻害受容体の生物学的な活性を刺激するまたは高める薬剤を投与することを含む、被験体における腫瘍増殖を阻害するための方法。 請求項2 前記薬剤は前記FDF03阻害受容体に特異的なアゴニスト抗体もしくは部分的なアゴニスト抗体またはこれらの抗体の断片である、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体である、請求項2に記載の方法。 請求項4 前記腫瘍は原発性のまたは転移性の腫瘍である、請求項1に記載の方法。 請求項5 前記被験体はヒトである、請求項1に記載の方法。 請求項6 転移の負荷の低減を必要としている被験体に、FDF03阻害受容体の生物学的な活性を刺激するまたは高める薬剤を投与することを含む、被験体における転移の負荷を低減するための方法。 請求項7 前記薬剤は前記FDF03阻害受容体に特異的なアゴニスト抗体もしくは部分的なアゴニスト抗体またはこれらの抗体の断片である、請求項6に記載の方法。 請求項8 前記抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体である、請求項7に記載の方法。 請求項9 前記被験体はヒトである、請求項6に記載の方法。 請求項10 腫瘍増殖の阻害を必要としている被験体に、FDF03阻害受容体およびFDF03活性化受容体に結合する薬剤を投与することを含む、被験体における腫瘍増殖を阻害するための方法。 請求項11 前記薬剤は前記FDF03阻害受容体および前記FDF03活性化受容体に結合する二重特異的抗体またはこの抗体の断片である、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体である、請求項11に記載の方法。 請求項13 前記腫瘍は原発性のまたは転移性の腫瘍である、請求項10に記載の方法。 請求項14 前記被験体はヒトである、請求項10に記載の方法。 請求項15 転移の負荷の低減を必要としている被験体に、FDF03阻害受容体およびFDF03活性化受容体に結合する薬剤を投与することを含む、転移の負荷を低減するための方法。 請求項16 前記薬剤は前記FDF03阻害受容体および前記FDF03活性化受容体に結合する二重特異的抗体またはこの抗体の断片である、請求項15に記載の方法。 請求項17 前記抗体はヒト化抗体、完全なヒト抗体またはキメラ抗体である、請求項16に記載の方法。 請求項18 前記被験体はヒトである、請求項15に記載の方法。
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